引き続き
相変わらずせこせこと会社員業を行う傍ら、引き続き本屋について諸々練り回しています。
会社では一応店長という立場をやっていて、毎月後半は専らシフトの調整に明け暮れます。もう本当やだ。毎月「今回ばかりは無理だろ」と思いながら作ってる。早く開業したい。
・城塚翡翠シリーズ
一気読みしてしまった。去年ドラマをやってたあたりで気になっていたんですが見ておらず、たまたま覗いた本屋で目に付いた「medium」を購入し一日で読む。
主人公である霊媒の少女・翡翠のキャラクター像に淡い引っ掛かりを覚えながら読んでいたので、クライマックスはめちゃくちゃ気持ちよかった。
「invert」2作も真ちゃんとのバディがカッコよくも可愛くもあり、好きです。ドラマも見てみたくなった。
・いま考えていること
不動産屋さんとか商工会議所とか税務署とかに話を聞きに行きたい。ひとりじゃ無力だけど、いろいろな立場の人から知恵を借りれば見えてくるものがあるはずなのだ。
あとは取次問題ですね。ホワイエからの一冊取引所まではたどり着いていたけど、『これからの本屋読本』を再読してトランスビュー取次について調べる余地を発見しました。はてしないけど楽しいな。
連勤の合間の1日休みでは詰めきれない。やっぱ早く辞めたい。
・といいつつ
仕事終わり、早く寝るか調べ物するかなんかすりゃいいのについついゲームしてしまう。Switch引っ張り出してきてしまったのが敗因です。買って積んでたポケモンが楽しくて……
軌道修正
絵に描いたような三日坊主でこんなに放置してしまった。恥ずかしいが弊人生においてはよくあることです。
しかしブログを放っている間に開業計画はいくぶん煮詰まってきており、いろいろ書き留めておきたいことなどもあるので、恥ずかしいけど仕切り直すことにしました。
運用は以前よりゆるくして、でもちょっとした思いつきや覚えておきたいことなど書けたらいいかなと思っています。三日坊主のプロすぎてこれもフラグみたいな気がしてきたけど。
そういうわけで日報です。
・おるか書房開業計画進捗
最速で来春起業を夢見ている。予算的な問題もあり、EC・移動販売(店舗の軒先を借りたり、イベント出店したり)をイメージ。
とりあえず数日前に某小規模取次のサイトから問い合わせメールを送信。ただまだテストケースという扱いらしく、どうなるかはわからないので、まあ気長に待ってみます。
・本を読まねばならない
前項に書いた問い合わせメールを書くにあたり、「開業希望の方は熱意をお聞かせください」的な項目があり、これまでにも何度も感じていたことを改めて考えている、すなわち、「私のような中途半端な者が本屋を目指していいのだろうか?」ということである。
子どもの頃は確かにめちゃくちゃ本好きだった。小学校高学年の頃は一日に三回くらい図書室に行っていた気がする(朝返して借り、休み時間に読み切って返して借り、放課後に読み切って返して借りる)
大きくなるにつれ、マンガ、アニメ、アイドル、バンド等に夢中になりはじめ、インプット内容が大きく偏りだした。就職するとさらに、仕事にかまけて読まなくなった。
ついでにたぶん二十歳前後からはメンタルヘルス面が思わしくなかったせいか、初めて触れる本や映画等に億劫さを感じることが多くなってしまった。
その一方でとにかく本屋が好きなのは間違いないと思える。隙あらば本屋に行きたい。今の職場はショッピングモール内に店舗をかまえており、上の階には書店が入っているので、欲しいものがあってもなくても立ち寄りたくなる。
小説もいいけど、科学系・人文系の本やエッセイ等を眺めるのが特に好き。大きい書店は認知心理学とか量子力学とかの棚があって最高。好きすぎて車で片道45分交通費なしでバイトしてた。
こうした書店の唯一にして最大の欠点は「私の住む市内には存在しない」ことであり、これこそが地元で開業したいと思う理由である。
前述したように自分も「興味ないわけじゃないけどしんどくて読めない」ことがあり、「そんなの本好きじゃない」「本好きなら○○くらい読んでないと」などという言説は徒に間口を狭めるようでいただけない。
だとしても、少なくとも単なる本屋好きではなくプロの「本屋」になる以上は、買いに来る人に対して「これ面白いよ」とか「これはいいものだよ」とか「こういうの読んでほしいよ」とか、なんらかのメッセージを発することができなくてはならないと思う。
「人より本好きである」「人より多く読んでいる」必要はないけど、本屋としての自分の姿勢を確立できる程度には読んどかなきゃな、と思っている。
なので今日は本を読んでいました。
『イヌはなぜ愛してくれるのか―「最良の友」の科学』クライブ・ウィン(訳・梅田智世)
https://www.hayakawa-online.co.jp/smartphone/detail.html?id=000000015276
まだ読み終わらないけど、すごくおもしろい。
「イヌ、めちゃくちゃ笑ってるように見えることがあるけど、人間の都合のいい思い込みではないだろうか……?」みたいな疑問をどんどん追究していく。著者や共同研究者たちが犬好きだらけで、犬好きとしての情緒的な感覚と、科学的な考え方のあいだで揺れる(けれども次第にそのふたつの立場が不思議に接近していく)さまがおもしろい。
明日からまた連勤だけど、少しずつ読み進めようと思います。筋トレ。
静かな日々、ユーモラスな猫たち 『「お水ちゃん」と呼ばれる猫』
なるべくまめに更新して記事を増やしたいな〜などと思っていたのに、年末の慌ただしさにかまけて間が空いてしまいました。ぼちぼちと続けたい。
今回は写真集です。
毛皮をもついきもの全般が好きで、犬や猫と暮らす人のSNSアカウントをいくつも見ています。
私はかつて「目覚めたらまずTwitterを開き、へるさんが投稿する『お水出して』ツイートをRTする」というモーニングルーティンを持っていました。
陽の差す窓辺、鉢植えの植物たちが並ぶ温室、温かい明かりに照らされた夜のリビング、どれも穏やかな静かな雰囲気。そこに暮らすのは三毛の「お水ちゃん」と白黒垂れ耳の「牛ちゃん(牛ごりら)」。
これらはたぶんニックネームであり、飼い主であるへるさんが日頃なんと呼んでいるかは、本を読んでもわかりません。
それでも、へるさんのユーモラスなキャプション、二匹の表情やしぐさ、かれらの暮らす明るく静かな風景は、えもいわれぬ親しみと愛おしさを喚起するのです。
来年も再来年も末永く、のびのびとすこやかな暮らしが続いてほしいと祈りながら、ページをめくっています。
|
今日を生きのびるためのポップな攻略本 『メンタル・クエスト』
私事ですが、心療内科に通い始めてそろそろ三年になります。
幸い治療が奏功して、今はずいぶん元気になりましたが、振り返ってみると、この十年くらい、めちゃめちゃつらかったな、としみじみ思います。
思うに、私にはずっと「反射的に『じぶんのせいだ』と思ってしまう」くせがあって、そのせいでいつもびくびくしたり、急に腹立たしくてたまらなくなったり、自己嫌悪で頭がいっぱいになったりして、なにがなくとも消耗していたのでした。
じぶんでじぶんを擦り減らさないようにするためには、こういう「思考のくせ」を自覚して、少しずつ矯正していくことが必要です。というようなことは医者にも言われたし、しんどさをどうにかしたくて探して読んだ本にも書いてありました。認知行動療法の考え方だったと思います。
でも、いかんせんしんどいので、「言ってることはわかるけど、難しいよな」から先にはなかなか進めない感じがしました。とにかく気力がないので。
そしてそういう自分がまたすこし嫌になって、限りなく振り出しに近いところに戻ってしまう。
そんな感じでひたすらダウナーな状況のなかでも、この本はわりとライトな気持ちで読めた覚えがあります。
平易かつ良い意味で「俗っぽい」語り口で、じぶんを擦り減らしているもののかたちを捉える手助けをしてくれます。
あくまで私の場合ですが、「なんでもじぶんのせいだと思ってしまう」くせをやわらげるのに、「じぶんと他人の境界にきちんと線を引く」イメージが役立ちました。
|
それにつけても生きづらいこの頃です。
生きづらさの原因(の大半)は社会にあるので、あの手この手で抵抗していきたいところですが、しんどくてそれどころじゃないときも確実にあります。
今しんどい人がどうにか生きのびて、少しでも楽に息ができるようになればいいなと思います。
ひとがひとを、呪う 『ぼぎわんが、来る』
なぜか先月、ちょっと遅ればせながら一気読みしてしまった「比嘉姉妹シリーズ」の一作目。
数年前に『来る』として実写映画化されたとき、Twitter上で話題になっているのを見かけたけれど、ホラーにあまりなじみがなかったこともあり、手に取るに至っていませんでした。
フェミニズムに関心があるので、私のTLにはそうしたトピックについて発信している人のことばが多く流れてくるのですが、そのなかにふとタイトルを見かけ、「そういえば気になっていたな」と思い出して読み始めたら、止まらなくなりました。
怪異もめちゃくちゃ怖いのですが、(あまりにも月並みの表現になってしまうけれど、)「怪異」や「呪い」を生み出すに至る、人間の理不尽や愚かしさが恐ろしくてやるせなくて、ぐいぐいと読みすすめてしまう。
第一章を読みながら「ああ、そうなんだ」と思っていた世界が、視点を変えるとまったく違うかたちに見えてくる。
キャラクターも魅力的。琴子が好きです。
|