おるか書房日報

Road to 本屋さん

今日を生きのびるためのポップな攻略本 『メンタル・クエスト』

私事ですが、心療内科に通い始めてそろそろ三年になります。

幸い治療が奏功して、今はずいぶん元気になりましたが、振り返ってみると、この十年くらい、めちゃめちゃつらかったな、としみじみ思います。

 

思うに、私にはずっと「反射的に『じぶんのせいだ』と思ってしまう」くせがあって、そのせいでいつもびくびくしたり、急に腹立たしくてたまらなくなったり、自己嫌悪で頭がいっぱいになったりして、なにがなくとも消耗していたのでした。

じぶんでじぶんを擦り減らさないようにするためには、こういう「思考のくせ」を自覚して、少しずつ矯正していくことが必要です。というようなことは医者にも言われたし、しんどさをどうにかしたくて探して読んだ本にも書いてありました。認知行動療法の考え方だったと思います。

でも、いかんせんしんどいので、「言ってることはわかるけど、難しいよな」から先にはなかなか進めない感じがしました。とにかく気力がないので。

そしてそういう自分がまたすこし嫌になって、限りなく振り出しに近いところに戻ってしまう。

 

そんな感じでひたすらダウナーな状況のなかでも、この本はわりとライトな気持ちで読めた覚えがあります。

平易かつ良い意味で「俗っぽい」語り口で、じぶんを擦り減らしているもののかたちを捉える手助けをしてくれます。

あくまで私の場合ですが、「なんでもじぶんのせいだと思ってしまう」くせをやわらげるのに、「じぶんと他人の境界にきちんと線を引く」イメージが役立ちました。

 

 

 

それにつけても生きづらいこの頃です。

生きづらさの原因(の大半)は社会にあるので、あの手この手で抵抗していきたいところですが、しんどくてそれどころじゃないときも確実にあります。

今しんどい人がどうにか生きのびて、少しでも楽に息ができるようになればいいなと思います。