おるか書房日報

Road to 本屋さん

ひとがひとを、呪う 『ぼぎわんが、来る』

なぜか先月、ちょっと遅ればせながら一気読みしてしまった「比嘉姉妹シリーズ」の一作目。
数年前に『来る』として実写映画化されたとき、Twitter上で話題になっているのを見かけたけれど、ホラーにあまりなじみがなかったこともあり、手に取るに至っていませんでした。
フェミニズムに関心があるので、私のTLにはそうしたトピックについて発信している人のことばが多く流れてくるのですが、そのなかにふとタイトルを見かけ、「そういえば気になっていたな」と思い出して読み始めたら、止まらなくなりました。

怪異もめちゃくちゃ怖いのですが、(あまりにも月並みの表現になってしまうけれど、)「怪異」や「呪い」を生み出すに至る、人間の理不尽や愚かしさが恐ろしくてやるせなくて、ぐいぐいと読みすすめてしまう。
第一章を読みながら「ああ、そうなんだ」と思っていた世界が、視点を変えるとまったく違うかたちに見えてくる。
キャラクターも魅力的。琴子が好きです。

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